◆ロイヤルネパールにはもう乗らない◆
　−ネパール2004備忘録(6)−

　この3回、ネパール行きは関西国際空港発、上海経由、カトマンズ行きの直行便を使っている。運行は、ロイヤルネパール航空。水日曜発の週2便だ。
　これを使わない場合は、バンコクあたりで飛行機を乗り換えることになるが、接続が悪く、バンコク一泊か長いトランジットになる。関空発直行便は、前回、前々回は悪くなかったのだが、今回は大きく外れた。

　まず、出発時のトラブル。最近、ロイヤルネパールの飛行機の具合があまり良くないことは、Webの情報や旅行代理店（西遊旅行）でも聞いていた。それに見事に当たってしまった。
　関空で飛行機に乗り込んだのはオンタイムだったのだが、動き出さない。そのうち飛行場の技術スタッフが乗り込み機長と話を始める。さらに、床下からがたがた音が鳴り始める。
　程なく機内放送がある。「技術的な問題があり、現在対応中です。修理箇所は荷物室の奥のため、現在皆様の荷物を一度運び出して対応しています」

　結局、修理が済んで関空を出発したのが2時間後。その間、ずっと機内で座って待つはめになる。
　飛び立っても、緊急修理をするような飛行機に乗っているということ自体、気分が悪いし、どきどきする。後で聞くと、ロイヤルネパールが持っている国際線で運行可能な旅客機は2機だけらしい。そのうちの1機が、昨年後半からトラブル続きだったようだ。結局、2004年になって長期のオーバーホールに入ったという話だ。

　上海到着も、当然2時間遅れ。いつもはトランジットで降ろされるのだが、今回は案内がない。遅れを取り戻すためなのだろうと思っていると、30分ぐらい経ってから突然、「降りろ」という。この上海空港での待合室への案内なども混乱していて、飲み物を買うこともできない。陽の傾いた上海空港のなにもない待合室で、あてのない時間を過ごす。
　結局カトマンズ到着は3時間遅れ。宿に着いたのは21:00過ぎ。もうクタクタだし腹ぺこ。レストランはもう閉まっていて、スーパーなどでかろうじて水とパンだけは買うことができた。

　翌々日は、カトマンズ−ポカラの移動。国際線を使っていると割引になるため、この区間もロイヤルネパールだ。
　2時間半前に空港に行き待っていると、出発1時間前になって突然、これまた「技術的な問題」とやらで、欠航になる。チケットに、欠航・払い戻し証明のサインとスタンプを押してもらい、コスミックエアーのチケットを買い、1時間遅れでポカラに着く。
　ただ、東京での払い戻しは4000円、コスミックエアーの代金は約8000円。結局4000円×2人分の出費増。
　だいたい、ロイヤルネパール以外のブッダエアーやコスミックエアーは、あまり遅れないのに・・・。

▲カトマンズ-ポカラのロイヤルネパール機（2002年撮影）

　帰りのポカラ−カトマンズは1時間遅れ程度という許容範囲で、無事にカトマンズ帰着。順調なのはこれだけだった。
　そして残るは最後の、カトマンズ−関西国際空港。空港に2時間半前に行くと、どこかの団体旅行の添乗員が、「今日はオーバーブッキングになっている」としゃべっている。空いている窓口を素早く見つけてうまく立ち回ったので、手続きはスムーズに行き、なんとか二人ともボーディングパスを手に入れる。いやー、この時はかなりほっとした。あとの大問題は、ちゃんと飛ぶかどうかだけ(!)。

　ほぼ定時に機内に案内される。席は中程の非常口通路直後の席。足を伸ばせる楽な席だ。出発直前、若いネパール人男性が、機内乗務員に案内されてやってくる。なんと通常、機内乗務員が座る非常口の反対側の席、私たちの前の折り畳みイスに座るようだ。確かにオーバーブッキングだったのだ。
　それほどの遅れもなく23:00過ぎに離陸。ふー、あとは上海でのトランジットだけで関空に戻れるのだが・・・、おかしい。上海離陸後に出るはずの朝食が出る。どういうことだろうと悩んでいると、訛のひどい英語で「関西国際空港に降りる」と言う。「えー、どういうことだ」と思っているうちに着陸。
　空港というのは滑走路からはどこだか分からないことが多い。が、建物は関空っぽいし、かすかに読める遠い表示などは日本語。やはり関空だった。

　10時過ぎに着くはずの関空に8時過ぎ、2時間前に到着。びっくりである。団体さんの一部などは、上海のトランジットと勘違いし、荷物を機内に残して降りてしまい、慌てて取りに戻っていた。結局、上海に降りなかった理由の説明はなかったし、その理由は未だに分からない。
　関空−羽田は、前回までは13:00前後の便があったのだが、廃止になってしまった。結局、17時台の関空発を予約するのは止めて、16時台の伊丹発の飛行機を押さえてあった。
　でも、着いたのは8時台。普通なら嬉しいことだが、羽田行きの飛行機が出るまで8時間。伊丹までの移動を考えても、とてつもなく余りすぎだ。結局、伊丹に移動しラウンジで無為な時間をボーっと過ごすことになり、えらく疲れる。

　以前は直行便で待ち時間が少ないメリットがあったが、これではバンコク経由と変わらない。タイ航空のサービスはいいし、食事も美味しい。それに対してロイヤルネパールは、飛行機も古いし、トイレもよく詰まる。メシもまずい。
　国内便のキャンセルも前回の旅行に続き2回目。突然の運行変更もある。待ち時間も長くなったし、トラブルが多いロイヤルネパールは、国際線、国内線とももう使わないと思う。

<2004/03/01記述>