◆必死の思いで◆

　きれいに晴れた春土曜の午後、新大久保の韓国家庭料理店に行く。「コリアスンデ家」という名前。スンデというのは腸詰め料理の名前のようだ。
　ウイークデイの夜は、予約なしでは入れないぐらい混むらしいけど、今日は土曜。それにまだ四時半である。店もがらがらでゆったりと過ごせる。

　突き出しで出てくるキムチ類などは、小さめのお椀で5品ぐらいとたっぷり。さらにオーダーした一品一品がかなりの量である。妻と二人で、スンデ、海鮮チヂミ、プルコギの三品を頼んだだけなのに食べきれない。
　結局、スンデと海鮮チヂミは食べきれず、半分ぐらい残るけど、包んでくれたのでお持ち帰りとになる。

　食べ終わって店を出る少し前から、お腹の"雰囲気"が不穏である。でも、トイレに行っても何も出ない。仕方ないので、そのまま会計を済ませて外に出る。
　ぶらぶらと散歩がてら歩き、職安通り、歌舞伎町を抜けて新宿の映画館まで行く。

　歩き始めて5分、お腹が本格的に痛くなる。「トイレ、トイレ、トイレはどこにある！」

　あたりを見回し、大久保公園の隣、比較的新しくきれいなビル「東京健康プラザ ハイジア」に駆け込む。
　「これくらいちゃんとしたビルならトイレはしっかりしているだろう」という読みだったのだが甘かった。1階トイレは大用個室は1つだけで、埋まっている。地下は4つあるのだが全部使用中。今は土曜の17:00、なんで埋まっているんだ。
　必死の思いで2階に駆け上がるが、トイレはない。3階、保健所関連施設のようで、「一般の方の使用禁止、1F、地下トイレを使用ください」と書いてある。表示を無視してトイレに入ると空いていた。

　ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！ なんとか間に合った。

　最近、腸の調子が良くなってきたので、ここまで必死な思いをしたのは久しぶりだったな。

　トイレから出ると、待っていた妻が呆れ顔で立っている。
　私、「店ではなんともないのに、なんで店を出て歩き始めたとたんこうなるのかな？」
　妻、「歩いて腸が動き始めたからでしょ！」と、さらっと言ってのける。
　なるほど真実だ。でも、不安感・予兆はあっても店を本格的に出る前に、「ちょっとお腹が不安なので、散歩して腸を動かし店に戻ってトイレ」なんてできないしな。
　刺激性の強い食べ物、韓国料理、タイ料理などを食べるときは今後もドキドキだ。

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　そう。それはそうと、なんで「東京健康プラザ ハイジア」のトイレがあそこまで詰まっていたのか？ おそらく「ホームレスの人々が占拠していた」というのが答でしょう。

<2003/03/20記述>