◆引退(予定)宣言◆

　自転車レースを趣味にして8年。草レースではあるが、今年は信じられない結果が出た。
　一昨年までの6年間はたった一度の入賞もなかった。中低位しか走れず、良い成績にはこのまま一生縁なく終わるのだろうと思っていたのだが・・・。

　しかし次になにを目標にすればいいのか悩んでいる。昇級したJCRC Aクラスでは完走もおぼつかない。登りのあるレースでは、どうしようもないような走りしかできない。
　脚力クラス分けをしていない平地系のレース、シマノもてぎやシマノ鈴鹿の年齢別、大井市民レースなどに出れば、来年もそこそこの結果を残すことはできるかもしてない。でもそれだけで良いのだろうか。

　入賞・優勝だけに、非常にこだわる選手たちがいる。明らかに別格の実力なのに年齢別クラスや短いレース、MTBクラスなど上位が確実なレースに出場する。これは昔は一流で、今も強いが昔ほどはいかない比較的高い年齢の人に多いような気がする。
　お立ち台の嬉しさというのは強烈だと言うが、私はその中毒にはなっていない。入賞オタクは醜いと思うし、そうはなりたくないとも思っている。

　だとしたら上を目指すしかないのだが、上は上できりがない。もう私も四十半ばである。尊敬している四十歳台の偉人、村山氏、小泉さん、片山さん、森下課長のような方々でも届かないところは多い。ましてや彼らの足元にも及ばない私が目指す「上」などたかが知れている。
　でもまぁ、上のレベルへの努力をするしかないだろう。ただ、具体的にさらに上のクラスを目指すとか、入賞とかはあまり考えていないのだが・・・。
　基本的には分相応なクラスに出場し、納得のいく走りと結果を残すことだと思う。ただ、そのためには今以上の時間、努力が必要となる。

　は〜〜、しかし嫌になる。今でも自分としては、時間については限界近くまで割いているつもりだが、これ以上に必要になるのだ。仕事と家庭以外の時間の大半は自転車に使っている気がする。
　時間がなくて本も読まなくなったし、映画も見なくなった。自転車以外の友人には不義理の嵐である。家内には「自転車以外の話題が貧困だ」と言われ続けている。こんな生活を続けたら、自転車以外の中身のないスカスカな人間になってしまう。
　「趣味」で始まった自転車であるが、今はそれを逸脱している。（ある部分では）仕事より大事に考えているし、生活の目標と化している。

　そう、だからあと2年間だけ自転車でがんばり、45歳でロードレースを引退しようと思う。「あと2年だけ」と考えれば、練習の苦しさや単調さにも我慢できると思うし、その間、燃え尽き症候群に陥ることもないだろう。
　「ホビーレーサーには引退はないよ」という言葉を友人からもらった。たしかにそうだし、ゴール後の充足感という麻薬から、ほんとうに逃れられるか分からない。45歳の時点で燃え尽きず、辞めることができなかったら、それはそれでいいだろう。
　その残る2年で成し遂げたいことも二つある。安易な入賞よりもそれを心の中心に据えてがんばっていきたい。

　2年後の45歳からはどうするのか。
　自転車では善良なサイクリストに戻り、気持ちのいいサイクリングを中心にゆっくり乗り続けるだろう。年1、2回は遊びで耐久イベントなどに参加するのもいい。
　他の面では、空っぽになりつつある知識や遊びのポケットをいっぱいにし、その後の生活の礎をつくるのだ。

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　しかし一寸先は闇。本当のところ2年後がはどうなっているかは分からない。来年だって今年より向上した状態にもっていける保証はまったくない。ただね、今は漠然と、ずっとこんなふうに感じている。

<2002/11/18>